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ものづくり現場レポート

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 笠井産業株式会社

“ペットボトルに命を吹き込む

役目を終えたペットボトルに命を吹き込み、『リサイクルプレート』という1枚の板に仕上げる笠井産業。同社から出荷されたプレートは、文房具や看板など様々なものに加工され、街のいたるところで利用されています。『再生品』と言えど『新生品』と変わらぬ品質で、厚さ1.0ミリ以上のプレートをつくることができるのは、世界中でも同社だけ。ゴミを資源に変えることで、燃やしたり埋めたりといった環境への負荷を和らげています。

笠井産業株式会社
八尾市南木の本1-9
従業員数 60名
URL: http://www.kapilon.com/

押出工(おしだしこう) 土井 功詞(どい かつし)さん(30歳)

リサイクルには「感謝」を込めて

押出工(おしだしこう) 土井 功詞(どい かつし)さん(30歳)

入社4年目の土井 功詞(どい かつし)さんに話を聞きました。「3年で一人前と言いますが僕はまだまだ。経験が少ないぶん、どの先輩よりも"動くこと"を心掛けています」。

ペットボトルは生まれ変わる

「ペットボトルが回収されたあとどうなるか、リアルに想像することってあんまりないでしょ?」

笠井産業の工場内。機械の内部で"粉のような何か"が溶かされる。そして『Tダイス』と呼ばれる細い通路を通り、ひと続きのプレートとなって出口から押し出されていく。

「僕も、入社するまで考えたことなかったんですよ。でも実際には、看板であったり下敷きであったり、形を変えてもう一度世の中の役に立つことができる。環境への負担を和らげることにもつながる。これってすごいことだと思うんですよね」

言うまでもなく、粉の正体は使用済みのペットボトル。洗浄され、粉砕され、ボトルとなる前の"樹脂"の状態に戻されていたのです。
樹脂に再び命を吹き込み、1枚の板に仕上げるのが土井さんの仕事。再生樹脂を100パーセント使用した『リサイクルプレート』づくりです。リサイクルと言えど、加工のしやすさや透明感は新生品同様。工場から出荷されたあとは、文房具やマネキンボディなどにさらに姿を変え、私たちの日常に溶け込んでいます。

ペットボトルは生まれ変わる

感覚を叩き込む

感覚を叩き込む

プレートを製造する押出機(おしだしき)。
1日のうちにも刻一刻と変化する気温や湿度のなか、24時間体制で押出機内部の温度管理を行います。
溶けて蜂蜜状になった樹脂が『Tダイス』を通過する一瞬の間にも、絶えず中を覗き込みます。板の端から端まで均一な厚みになっているかどうか目で確認し、ミリ単位で通路の高さを調節するのです。

「常に一定の精度を保つには、何より職人の目と勘が要求されます。誰かに教わって身に付くものじゃありません。僕が心掛けているのは先輩が仕上げたプレートをたくさん見ること、誰よりも多く機械に触れること。どうすれば正確な規格に仕上げることができるのかを、感覚として自分のなかに叩き込むんです」

以前は営業の仕事をしていた土井さん。「ものづくりの経験はゼロ」の状態から経験を積んできました。
「4年半前に父を亡くし、僕が家族を支える立場になりました。『今の収入では養っていけない』と悩んでいたところ、笠井産業の方が『一緒にやろう』と声を掛けてくださいました。日々怒られてばかりですが、努力は必ず認めてくれる方たちばかり。そんな先輩に少しでも近付くことが僕の目標です。一人前になることが何よりの恩返しだと思うので」

ペットボトルを、資源に変える。仕事への熱意の源は、一緒に働く仲間への感謝の気持ちでした。